記録の力 / The power of Recording

Taking notes, reviewing them to improve productivity is fun. Will see how I can improve myself by recording all sorts of things.

異邦人

 

異邦人 (新潮文庫)

異邦人 (新潮文庫)

  • 作者:カミュ
  • 発売日: 1963/07/02
  • メディア: 文庫
 

 



  • 主人公の男の行動があまりに機械じみて不気味だと思う人は多いように思う。しかし、多少大げさに描写されているとは思うが、我々が生活している場面も文字にしてしまうとこのような無味乾燥なものかもしれない。

 

  • 人が死んだ場合に淡々と生活する人は少ないと思うが、誰かと喧嘩したり、誰かの感情に遭遇したとしても、人はそれぞれ自分の生活を続けている。

 

  • 他人の感情的な表情や行動に注意は向けるがそれは一瞬であり、心の底からその出来事に注意を向けているわけではない。結局は自分自身の生活に集中するのであり、究極的には人が皆自分中心に物事を進めているように思う。

 

  • それが悪いと言うわけではなく、本質的に人は利己的なものなのかもしれない。

 

  • ムルソーの行動はこの点を極端に明確に描写しているものであり、人間の利己的な心を明確に表現したものなような気もする。

 

  • もう1点はあまり人生の中に意味を見出していない。ムルソーにとって起こる出来事や、その出来事に対する自分の判断に全く執着がない。これは人生における自分の意味を放棄しているかのようにも見える。
  • 何をしても、いい時もあれば悪い時もある。自分のコントロールが及ばない世界は多い。そうした中で出来事のひとつひとつや、自分の判断のひとつひとつに目くじらを立てていても疲れるだけであり、むしろ頓着しない方が幸福かもしれない。
  • こうした観点からすると出来事に無頓着になる事は、ある意味幸福追求の1つの方法かもしれない。